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棟梁を育てる高校
草思社
笠井一子
ISBN4794211945
大工になりたい人、集まれ!!!!
徒弟制ではなく、学校教育の中で職人を育てる初の試み。
球磨高校伝統建築コースの14年
◆大工を育て棟梁を目指す高校◆
いま子どもたちに人気のある職業は大工であるという。
それを先取りしたともいえる大工を育て、棟梁を目指す
学校が平成元年(一九八九)年、熊本県球磨工業高校に
誕生した。<伝統建築コース>がそれである。1学年20名。女子も入学可。
近年、伝統建築に携わる技能者が高齢化し、後継者のなり手のないことから、
日本の(熊本県産の)木材を生かし、従来の木造軸工法をマスターした大工を、
徒弟制ではなく学校教育のなかで養成する日本で初の野心的な取り組みであった。
◆自分のやりたいことがみつからない、どんな仕事をしたら
いいかわからないという若者たちが増えているそうだ。
夢と希望にあふれるはずの青春期に、目の前に広がる濃い
霧にまかれ、先が見えず展望が開けない。そこに、現代を
生きる若い人たちの苦悩と不安と苛立ちがあるのだろう。
わたしは最近、庭園で立ち働いている、ある若い女性庭師
の姿を見かけた。長い髪をキリリと束ねていた。颯爽として、
しかも、たおやかな雰囲気を醸しながら。
しっかりと勉強すれば、男性も及ばない「女性ならでは」の
新しい感性が、たとえば庭の景観やインテリアなど、さまざ
まな分野に、じゅうぶん生かされるのではないかと思う。
働くことで自己を見出し、自分という人間を作り上げていく。
そういうたしかな手応えが現在の仕事からは失われてきて、
「ああ、自分は生きているのだ」という実感は、なかなか
味わいにくい。だからこそ、「もの作り」の象徴として大工
に熱い眼差しがそそがれるのであろう。
(本書まえがきより)
目次
T 文化財と林業の里・人吉球磨
公立高校で大工を育てる
人吉に全国で始めての<伝統建築コース>の誕生
文化財の保存修理のできる人材の養成を他
U 高校で大工を育てる初の試み
<伝統建築コース>の新設、まず必要な校長のゴーサイン
晴天の霹靂のごとく指令が下った
技術者は技能者より上なのか
千里の道も一歩から他
V 教育の原点がここにある!
実地調査で日本文化を学ぶ
木の床を雑巾がけする意味
規矩術の基本を学ぶ四方転び
国内留学で丸太を生かすことを学ぶ
現場の職人たちから学んだこと他
W もの作りは喜び、やればできる!
七年ぶりにまわってきた国内留学
大工だけでなく他の職方にも目を向ける
仕事は一生、躾は今が大事
人間、成長するかしないかは、やる気ひとつ
大工にもっとも必要な差し金他
X はばたけ若い大工たち
小数だが女子生徒も
世の中へ出てからが本当の勉強
大工志望から建具制作に移って
とにかく刃物は砥がないかん
四年目に墨付けをまかされる
今でも役に立つ学校の教科書
三年間、法事以外親元に帰らなかった
工場長になった今、仕事が楽しくてたまらない
棟梁を育てる高校 草思社 笠井一子
1500円(税別)
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