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書きあぐねている人のための小説入門
草思社
保坂和志
ISBN4794212542
小説を書くために本当に必要なことは?
実作者が教える、必ず書けるようになる小説作法!!
この本はどう読めばいいのかといえば、少なくとも論理的・分析的には読まないでほしい。
私は、この本で「小説とは何か?」「小説を書くとはどういうことか?」を
かなりしつこく書いていくつもりだと言った。
そのプロセスは、言葉を尽くす以上、ある程度論理的にならざるをえないけれど、
読者は、私の言うことをできるだけ直感的・感覚的に受け止めてほしいし、
そう読んだほうがわかりやすいようになっているはずだ。
誤解したり歪めてもいいから、その人なりの感覚で何かを感じ取ること。
これが、小説を書くときにもっとも大切なこどからだ。
(本文より)
■小説が生まれる瞬間とは?
「小説とは何か?」を考えるとき、私は小学校時代のの二人の同級生のことを思い出す。
一人は四年の時のMさんで、社会科の授業で先生が「“昔”というのは、いつのことでしょう」
という問題を出し、生徒全員に小さな紙に答えを書かせたときのことだ。
集まった紙を先生がパラパラ見ながら、読んでいく。
「十年前、佐藤。百年前、山本さん。十年前、保坂。五十年前、鈴木。
また五十年前、大久保・・・・」こんな感じで続いていったのだが、Mさんの答えだけは違っていた。
「お母さんのお母さんのお母さんが生まれる前」
教室全体が大爆笑だったけれど、いま思うと、Mさんの答えだけが「小説の生まれる瞬間」だった。
目次
1章 小説を書くということ−感じ、そして考えること
小説が生まれる瞬間とは?/小説とは人間に対する圧倒的な肯定である/
鵜呑みにせず、自分になりに「感じる」こと/
ふつうの言葉では伝わらないものを伝えるのが小説/
なぜ、一気読みできる小説はつまらないのか?/
「私が書かなくてもすでに小説はある]と知るべき他
2章 小説の外側から−ジャズ、アフリカ文学、哲学・・・・
ジャズを聴きながら小説を考えてみる/ボブ・マーリィが教えてくれた驚き/
まったく異質なアフリカ・ラテン・アメリカの小説/哲学は小説を書くことに「役立つ」か?他
3章 何を書くか?−テーマからの解放
テーマはかえって小説の運動を妨げる/「モード奏法」で小説を書く/
テーマの代わりに「ルール」を作る/「猫」を比喩として使わない/「書きにくいこと」を見つける他
4章 人間を書くということ−リアリティとは何か?
小説はなぜ、人間を書くのか?/昔の映画や小説が面白いのは「今」があるから/
ネガティブな人間を描かない他
5章 ストーリーとは何か?−小説に流れる時間
なぜ、ストーリーを作るのは難しいのか/小説は“読んでいる時間の中”にしか存在しない/
ストーリーは小説を遅延させる/私が何度でも書く直しをする理由他
7章 テクニックについて−小説を書き始めるためのいくつかの覚書
誰でもある日突然、小説家になれる/書く前のイメージやアイデアは“湯水の如く”捨てる/
頭を“小説モード”にしない/小説に「地方」を持ち込むのもひとつの方法他
書きあぐねている人のための小説入門 草思社 保坂和志
1400円(税別) |
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