ロード・オブ・ザ・リング
新版 指輪物語1
旅の仲間 上1
THE LOAD OF THE RINGS
J・R・R・トールキン
評論社
ISBN 4566023621
ハリウッドが総力をあげて完全映画化
「ロード・オブ・ザ・リング」<3部作>
指輪物語
指輪物語
3つの指輪は、空の下なるエルフの王に、
7つの指輪は、岩の館のドワーフの君に、
9つは、死すべさ運命の人の子に、
1つは、暗き御座の冥王のため、
影横たわるモルドールの国に。
一つの指輪は、すべてを統べ、
一つの指輪は、すべてを見つけ、
一つの指輪は、すべてを捕えて、
くらやみのなかにつなぎとめる。
影横たわるモルドールの国に。 |
この本は、主としてホビットのことを語っている。それでこれをお読みになれば、
ホビットの特質があらかた納得されようし、
またその歴史も多少おわかりになることと思う。
なお、『ホビット(ホビットの冒険)』の題名のもとにすでに出版された、
西境の赤表紙本の抜粋をお読みいただければ、
さらに委しいことがおわかりになるだろう。
もともと、この『ホビット』という物語は、この世に名の知られるにいたった
最初のホビットであるビルボ自身によって書かれ、ビルボ自身によって
「行きて帰りし物語」と名づけられた赤表紙本の最初の数章が底本となっている。
この題名は、ビルボの東への旅と、そこからの帰還が語られているからである。
さて、この時の冒険が、後にホビット全体を、
大事件の数々に巻きこむにいたったが、
それを述べたのがこの本である。
しかし読者の中には、ホビットというこの注目すべき種族について最初から
より多くを知りたいという方も、大勢おられようし、
また最初の本をお持ちにならぬ万もおられよう。
そういう方々のために、ここに比較的大切な点を、ホビット伝承学から集録して、
若干の解説とし、あわせて、かの最初の冒険についても簡単に触れることとした。
ホビット族は、きわめて表に出たがらない、さりながらはなはだ古い種族で、
以前は人数も今日とはくらべものにならないくらい、実に多かった。
というのも、平和と静けさとよく耕された大地を愛する種族だからである。
整地よく、耕作よき田園こそ、かれらの好む棲処だった。
かれらは道具の扱いがうまいくせに、今も昔も、炉とふいご、水車、
または手織ばたの類より複雑な機械はわからず、あるいは好まなかった。
古代にあってすら、ホビット族は一般に、かれらがいうわれわれ人間族の
通称「大きい人たち」をうとんじていたのだが、今日ではわれわれの姿を見ると
怖れあわてて避けるので、かれらを発見することはむずかしくなってきている。
かれらは耳す早く、目が利き、大体が太るたちで、
いざとならなければけっしてあわてないくせに、動作はす早く機敏である。
かれらは、自分たちが会いたくないと思っている
大きな連中ががさがさやって来ると、
音もなく速やかに姿を消す術を最初から所有していたのだが、
だんだんそれを発展させ、ついには、人間には魔法と見える域にまで仕上げた。
しかし実際にはホビット族は未だかつて、いかなる種類の魔法も
習得したことがなかった。
かれらの隠身は、ほかでもない、遺伝と習練と大地との親交の結果、
もっと大きくて不器用な種族には真似のできないものとなった
特殊技能のせいである。
(「序章 一 ホビットについて」より)
700円(税別)
|