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諸国ドブロク宝典
つくる・呑む・まわる
農文協
貝原浩・新屋楽山・笹野好太郎
ISBN4540881396
手づくりの楽しみ!!
全国津々浦々の農家・農家・林家による自前の酒つくりを訪ね、
その秘伝と酒つくりのある暮らしをわかりやすいイラストで紹介。
アイヌの酒、在日朝鮮人のマッコリ、酵母の手づくり法、ワイン、ビールのつくり方についても収録!
「まえがき」にかえて
「や、署長さん。一杯いかヾ、どうです。ワッハッハ。濁り酒、味噌桶に作るといふのは
あんまり旧式だな。もっと最新法の方は良いゝな。おい、署長さん。
さあ、一杯いかヾ、私の盃をあた取りませんか。閣下ぁ、ハッハッハ。さあ一杯」
「いや、わかった、わかった。いや、今晩は実に銘ていした。
辱けい」「ワッハッハ。やあ、今度はシラトリさん、さあ、おやりなさい。男子はすべからく
決然たるところがなくてはだめですよ。さあ、高田の馬場で掘部安兵衛金丸が三十人を
切ったのは実際酒の力だ、面白い、牛も酒を呑むと酔ふといふのは面白い。さあ一杯。
なかなかあなたは酒が強い。さあ一杯」一人が行ったと思ふと又一人が来るのでした。
「署長さん。はじめてお目通りを致します」
「いやはじめて」「はじめて、はてなさっきも来ましたかな、二度目だ、ハッハッハ。
署長さん、いや献杯、つゝしんで献杯仕ります。ハッハッハこの村の濁り酒はもう手に
取るやうにわかっている、本当にか、さあ、本当ならいつでもやって来い。
来るか、畜生、来て見やがれ・アッハッハ、失礼、署長さん
署長さん、もう斯うなったらいっそのこと無礼講にしませう。無礼講。
おゝい、みんな無礼講だぞ、そもそもだ、濁密の害悪は国家も保証する。
税務署も保証すると、ううい。献杯、いや献杯」
「もう沢山」「遁げるのか、遁げる気か・ようし、ようし、ようし、その気なら許さんぞ。
献杯、さあ献杯だ、おゝい貴様ぁ」
税務署長はもうすっかり酔っていました。
宮沢賢治「税務署長の冒険」より
目次
壱 秋田●くされもとを使った伝統的ドブロクづくり
弐 秋田●ドブロクづくりはこうじに始まる
参 岩手●幻のはなモトでつくってみる
四 宮城●自家製のこうじをたっぷりつかう
五 秋田●酒のあわでつくる
六 山形●新聞紙でろ過させる
七 岩手●ひえ・あわでつくる
八 山形●大量に仕込めば押しの強い旨い酒となる
九 長野●信州信濃の爺ッ様は本格三段仕込みの強い酒
十 山口●こうじ米だけでつくるお母ちゃん軍団の銘酒谷しぶき他
諸国ドブロク宝典 つくる・呑む・まわる 農文協 貝原浩・新屋楽山・笹野好太郎
1430円(税別)
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