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世界で一番いのちの短い国
シエラレオネの国境なき医師団
白水社
山本敏晴
ISBN4560049629
5歳になるまでに、子どもの3分の1が死んでゆく・・・。
平均寿命最短の知られざる国で、若き医師が救う彼らの「命」
重症患者を死の淵から助けることに成功したとき、私は何度となく彼らから
「モモーヨー!(ありがとう)と声を大にして言ってもらった。
ありがとう、と言ってくれた人が、将来周りのだれかに
なにか無償でいいことをしてくれたなら、
それは望外の喜びであり、私の国際協力はそこで始めて完結する。
(「本書あとがき」より)
☆シエラレオネ共和国って知ってる?
みなさんは、西アフリカにあるシエラレオネ共和国をご存知だろうか?
私のまわりの友人数人にたずねてみたところ、だれ一人として知らなかったが、
おおよそこんな国である。アフレカ大陸の西端にはセネガルやギニアなどの国があるが、
シエラレオネはギニアはギニアの隣に位置する小国だ。
面積は北海道ほどで、人口は約四百五十万人。
この国には、世界一悪い医療統計記録がいっぱいある。
たとえば平均寿命は二十五〜三十五歳と世界最短であり、
日本人の平均が七十五〜八十五歳であることと比較すると、
わずか三分の一程度である。このため、国連やWHO(世界保健機構)からつねに
注目されている国であり、まぎれもなく世界最悪の医療事情にある国だ。
今回私は、国境なき医師団(MSF)からこの国に半年派遣されたのだが、
本書はその奮闘と涙と笑い(?)の記録である。
国際協力に興味のある人にとっては、多少なりとも興味をもって
いただける内容なのではないかと思っている。
(はじめにより)
本当の国際協力とはなにか?
@ 教育とその後のシステムの確立
国際協力でもっとも重要なキーワードがサスティナビリティという言葉である。
これは、日本語に訳すと、「ずっと続けていけること」だ。現地の貧乏な人に
一時的にお金を配ったり、短期間ボランティアの医師が出かけていって必死に
医療活動をしたりしてモ、根本的にはなにも解決しない。ただのその人の
自己満足だと言われてもしかたがないような結果になってしまう。本当に意味の
あるボランティア活動をやりたいのならば、現地の問題が解決する
までずっと援助をつづけていくことがなによりも重要なのである。
A 現地の文化・風習の尊重
発展途上国であろうとも、アジア・アフリカには欧米の歴史をはる
かに越える数千年の文化・文明が存在している。彼らのこの歴史を
尊敬することなく、ある日突然外から来て、勝手に国際協力を始め
るのは絶対にいけないと私は思っている。
B 悲惨さを誇張せず、彼らも対等の立場の人間として認識する
よく、現地の悲惨さを強調するような写真や文章が、新聞やテレビ
などのマスコミを賑わしているが、これは基本的に大きな問題が
ある。悲惨さを強調すると、彼らは貧しいから、ただ単に食料や
お金を恵んでやれば喜ぶだろうと、先進国の人間たちは考えがちで
ある。この感情は、残念ながら彼らを見下すことにつながっていき、
われわれと対等の立場の人間であるという認識が薄れていってしま
う。本当に彼らが望んでいることを知ろうとも思わずに。
C 子どもを助ける場合、ファミリープランニングが重要である。
地球規模で考えると、人間の数は十分増えすぎており、このままで
は食料危機などから人類は滅亡してしまう。
D お金を与えるのではなく、貸す
貧困というのは、社会全体の構造上の問題であり、貧しい人に一時的
に、しかも短期間お金を与えても、なにも改善しない。それよりも、
なにが本当に原因かをつねに考えるべきだ。
E 無償で奉仕する人間がいる、ということを世界に広める
目次
第一章 かみさまのいる国
一異国の朝
二血の洗礼
三白亜の水
第二章 さまよう心
一国境なき医師団
二不満の種
三褐色の魔
第三章 ことばの力
一国の政情
二現地の文化
三白の鮮烈
第四章 なかまとの距離
一英語の壁
二盟友の助け
三青の弦楽
第五章 おしえる情熱
一常識の試練
二信念の教育
三紅の威勢
第六章 いのちとの戦い
第七章 うえにたつ者
第八章 わたしのいない日
第九章 おおきな仕事
第十章 たびだちのとき
世界で一番いのちの短い国 シエラレオネの国境なき医師団 白水社 山本敏晴
1400円(税別)
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