パパラギ
はじめて文明を見た南海の酋長ツイアビの演説集
立風書房
岡崎照男訳
ISBN4651930077
新世紀をひらく魂の言葉!!
はじめて文明を見た南海の酋長ツイアビの演説集。
パパラギは単に、現代人が失っている何かについて
考えさせられるだけの本ではない。
(村上龍氏)
おおわが兄弟たちよ、
私を信じてくれるなら、私は言おう。
私はパパラギの考えのうしろに回り、真昼の太陽が照らすように、
その思うところをはっきりと見た。パパラギは、行く先々で大いなる心が作ったものを
こわしてしまうから、自分が殺したものをもう一度自分のカで生き返らせようとするのだ。
たくさんの物を作るから、まるで自分自身が大いなる心ででもあるかのように
思い込みながら。
兄弟たちよ、考えてほしい。
もし次の瞬間、大きな嵐が来て、葉ぐるみ、木ぐるみ原生林とその山々を
もぎ取ってしまったら。
もし、入江の貝も、生物も、すべてが奪われ、娘たちの髪を飾る
ハイビスカスの花一輪もあとに残されていなかったとしたら−
今見えるものすべて、すべてが消え灯せ、平べったく伸ばした手のひらか、
燃えて流れる熔岩だけの丘のような地面と砂のほかには、
何も残らなかったとしたら−
私たちは、どんなにヤシの木や、貝や、原生林や、
そして失われたすべてのものを嘆くだろう−。
パパラギたちの小屋がたくさんあり、彼らが都市と呼ぶところは、
平べったい手のひらのようにうつろな場所なのだ。
そのためパパラギは気がふれてしまい、まるで自分が
大いなる心ででもあるかのようにふるまう。
そうすることで、自分が本当は何も持ってはいないことを忘れようとして。
パパラギは貧しく、その国はみじめだから、馬鹿が枯れ葉を集めて
自分の小屋につめ込むように、物をつかんで集め続ける。
だがそのためにまた、私たちをねたみ、私たちが彼と同じように
貧しくなればいいと願っている。
(本文「たくさんの物がパパラギを貧しくしている」より)
ツイアビが実在の人物であったかどうかはわからない。
が、そのことばは知恵と啓示に満ちた文明批評である。
(天声人語)
目次
<こちらの世界とあちらの世界>柏原勲
<エーリッヒ・ショイルマンのまえがき>
パパラギのからだをおおう腰布とむしろについて
石の箱、石の割れ目、石の島、そしてその中に何があるかについて
丸い金属と重たい紙について
たくさんの物がパパラギを貧しくしている
パパラギにはひまがない
パパラギが神さまを貧しくした
大いなる心は機械よりも強い
パパラギの職業について―そしてそのため彼らがいかに混乱しているか
まやかしの暮らしのある場所について・束になった紙について
考えるという重い病気
パパラギは私たちを彼らと同じ闇の中に引きずりこもうとする
<この本について>ベルトールト・ディール
<訳者あとがき>岡崎照男
800円(税別)
パパラギ 立風書房 岡崎照男訳
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