黄金時代
文芸春秋文庫
椎名誠
ISBN 9784167334154
喧嘩。青春の輝きと苦悩が弾けとぶ瞬間!
恋が、友情が、男としての自我が芽生える季節を舞台に
清冽に綴られた滋味溢れる傑作長篇。
おれがはじめて人を殴ったのは中学三年の春。
そしておれの人生の進むべき方向の何かが少し変った―。
喧嘩。青春の輝きと苦悩が弾けとぶ瞬間!
恋が、友情が、男としての自我が芽生える季節、
“おれ”の中学から大学までのさわやかで、
ぎらぎら熱くて痛い黄金の日々を、清冽に描ききった青春文学の傑作。
三十人ほどの不良どもが俺と角田をとり囲んでいた。
話らしい話もないままに、
角田はいきなり自分の鞄を投げつけてきた。
突然だったので少々怯んだ俺の眼前に角田の蹴りがきた。
力を込めた飛び込み気味の前蹴りだったが、
それが当たっていたら俺は間違いなく
鼻か顎のあたりを撃たれ、転倒して
あっけなく戦意を喪失していたのだろう。
でも当たらなかった。当たれば効果的なこの
角田の先制攻撃がはずれたために、
俺の人生の進むべき方向の何かが少し変わった。
喧嘩とはそういうものなのだろう。
(本文より)
男臭さが漂う、どこか懐かしい匂いのする1冊。
476円(税別)
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