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降りていく生き方 太郎次郎社 横川和夫  
降りていく生き方
太郎次郎社
横川和夫
ISBN4811806697

「ベテルの家」が歩む、もうひとつの道
“しあわせは私の真下にある”
「当事者の語り」を引き出す、卓越した聞き手による本!!

《この人たちは、病気に自分の個性を刻み込んだ。
病気とは、「人生」の代名詞でなくてなんだろう。
わたしたちは、この本の登場人物である早坂さんや、
河崎くんや、賀代さんと、昔からの友だちのような
気分になってしまう。病気はこの人たちにとってかけがえのないものになった。》
上野千鶴子

私は、かって共同通信の記者として文部省(現・文部科学省)を担当し、日本の教育行政、
学校教育のあり方に疑問を抱いた。やがて少年たちが起こすさまざまな事件を追跡担当いるうち、
学校教育の下請け期間になって、子どもに勉強を強いる親の生き方あり方まで問わねばならないと
考えるようになった。しかし、文部科学省の教育行政が「国家に役立つ“人材”づくり」に力を
入れているかぎり、いじめ、不登校、引きこもりの問題は、親の自立、つまり親が自分らしく生きる、
人間らしく生きる姿をとり戻すことと無縁でないことに気づいた。
自分らしく、人間らしく生きるには、どうしたらよいか。さまざまな実践を取材し、たどりついたのが
「べてるの家」である。なぜ゛、べてるの家なのか。べてるの家は、統合失調症(精神分裂病)などの
精神障害をもった人たちの共同体である。一般的に精神障害をもった人たちに対しては、
病気であるために、親や家族が当事者に代わってすべてをとり仕切るケースが多い。
そのため、自分で考えて決めることをできなくさせられている、つまり“当事者性”を
うばわれた人たちである。あるいはまた、他人に迷惑をかけないようにと“薬漬け”にされ、
自分が思ったり、考えたりしたことを言えない、言葉を奪われた人たちが多い。
ところが、べてるの家では、人間の弱さを大切にしながら、当事者性を重んじ、
仲間に支えられながら、自分の思いや気持ちをできるだけ言葉にして語ることをこころがけている。
そうすることで、彼らの病状は軽くなり、自分らしく生きている。
本書は、いちど人生のどん底の悲哀を味わい、絶望した何人かのメンバーに焦点を絞り、
彼ら自身、そして親たちの証言を軸に、その回復のプロセスを克明に追った記録である。
同時に、当事者性を尊重しながら、語ることの大切さを説いてきた浦河赤十字病院・
精神神経科部長、川村敏明さんと、ソーシャルワーカー、向谷地生良さんのふたりに、
なぜ、そのような取り組みを始めるようになったのか、学生時代までさかのぼって
人間観・人生観を語ってもらった。この取材で、私がそれまでもっていた認識を
あらためさせられた。それは、親がどうであろうと、過去がどうであろうと、そこにはその人なりの
回復のプロセスがある、ということである。問題を抱え、絶望している人たちにとって、また
当事者性を、そして言葉を奪われ、苦しんでいる多くの若者たちにとって、
彼らの回復の道筋は闇のなかの燭光となるにちがいない。
(本書まえがき横川和夫氏のことばより)

目次
1章 それは社会復帰ではない
 非・援助の思想
 混沌と葛藤のなかのはじまり
 キヨシどんと向谷地さん
 商売の苦労、買います
 降りていく生き方
2章 この生きづらさを語る
 暴力から言葉へ
 引きこもり、破壊、更改の連鎖
 変化の兆し
 経験を語るということ
3章 愛の暴風雨をくぐりぬけろ
 依存と愛情と自立と
 壮絶バトルの恋愛生活
 自己否定感との闘い
 和解への準備
4章 しあわせは私の真下にある
 「治る」よりも豊な回復
 ゴージャスな入院への処方せん
 友だちが増える病気
 治療とは、回復とは
 笑いといっしょに苦労を連れて

2000円(税別)
降りていく生き方 太郎次郎社 横川和夫 単価 2,000円 購入数

備考

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