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きみとあるけば 朝日新聞社 伊集院静 堂本剛 僕の最初の友だちは一匹の犬だった。 せつなくて旨にしみるエッセイと心あたたまるイラスト。 少年の心を忘れない2人による異色のコラボレーション。 「person」の好評連載、待望の単行本化! あなたは一緒に歩いてくれる友だちがいますか? 少年少女の日々を大切にしている人へ。 心のどこかに孤独を感じている人へ。自分探しを続けている人へ。 そんなあなたにこの本を贈ります。 旅を続ける毎日だが、北の家に帰っている時は、早朝四時くらいに起きて、 私は仕事をする。夜明け前のひとときは周囲も静かだし、空気が澄んでいる。 あの夜明けの空気感が好きだ。これは東京や大阪でホテルに宿泊していても 同じで、夜明け前に部屋を出て、ホテルの周囲をそぞろ歩くのは意外と気持ちがいいものだ。 夜の闇を裂いて、ひんやりした風に乗って新しい一日がやって来る。 空にはまだ星灯りが点っており、東の空の方からかすかに光が追ってくるのを感じる。 私が少年の時にそうだったように、この時間、まだ子供たちは夢の国で 遊んでいるのだろう。どんな夢を、少年や少女は見ているのだろうか・・・。 犬も眠っていて、時折、足先をピクリと動かしたり、口元に笑みが浮かんだのでは、 と思うような表情をする時がある。 「犬も夢を見てるんでしょうか?」 我が家に犬が来て、しばらくした日に妻が言った。 「それはもちろん犬だって夢を見るさ」 「どんな夢かしら? 亜以須君が笑っていたの」 「ほう、笑ってたのか。なら食べ切れないはどのごちそうを出された夢かなんかじやないか。 それとも好きな友だちができた夢を見てるんじゃないか」 「そう・・・・・・・。ひょっとして、昨日の午後、散歩に出かけた時に逢った犬かしら」 「そんなことがあったの?」 「ええ、他の犬を怖がる彼が珍しく尾を振ってそばに寄って行ったの」 「メス犬か?(亜以須君はオスの一歳)」 「そうなのよ。でもそれが亜以須と同じ歳なのに、むこうの方がずいぶんと大きいの。 二匹でじゃれていると、むこうの犬の方がリードしてるって感じね」 人間と同じだな・・・・・・。 (本文「ドント・マインド DON’T MIND」より) 目次 ファースト・フレンド 少女に帰ってみれば 長靴の音色 ドント・マインド よく見てごらん 神さまはいるの? ポケットの哀しみ こわれてもいいんだ。 “怖くても、大丈夫だよ” はじめて見るかがやき 亜以須とケンシロウが出逢った日 対談 伊集院静 × 堂本剛 大切にしたいもの 二人の往復レター きみとあるけば 朝日新聞社 伊集院静 堂本剛 ずーっといっしょ。 朝日新聞社 伊集院静 堂本剛 1143円(税別) |