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管仲
下巻
角川書店
宮城谷昌光
ISBN4048734482
これまで描かれたことのなかった名宰相管仲の人生を浮き彫りにし、
歴史の問に挑む傑作長編!!
「小説は物語ではない。なぜ、ということに挑まなければならない」
宮城谷昌光
覇者の時代を拓く一本の矢!!
■不遇の日々を過ごす管仲に一筋の光明がさした。
斉国の公子小白の傳となった鮑叔の推挙により、
管仲は公子糾の家宰となる。ふたりはともに力
を会わせて斉国を盛り立てていこうとするが、
時は争いの絶えない春秋の世、朋友である管仲
と鮑叔も、いつしか戦渦に巻き込まれていく、・・・。
壮絶な人生のなかで、管仲は一本の矢を放つ。彼と中華の運命を一変する。
太子と公子
この時代を、覇者の時代、とよぶのであれば、鄭の荘公は覇者で
あった、といってさしつかえないであろう。それゆえ荘公がこうじても、
覇権は鄭にあるといってよい。二月、鄭のレイ公が主宰する会同
がおこなわれた。会同の地は司史書に記されていないが、おそらく
宋の国内であろう。その宋を援助する斉、衛、燕も会同をおこな
い、会戦にそなえた。
「どう観る」
と召忽は管仲に問うた。この合戦の勝敗をどう予想するか、という
ことである。
「わが方が敗れる」
管仲はあっさりといった。
「はっきりといってくれたな。これは、公子の初陣だ。負けるわけにはいかぬ」
「負けるべくして負ける。退路を考えておいたほうがよい」
公子が師将ではないのだから、戦いに負けて退却するのは恥じではない。
むしろ公子糾と召忽がよけいな奮戦をして退路を失い、敵兵に
捕獲されることを管仲は恐れている。
(本文より)
管仲 下巻 角川書店 宮城谷昌光
1600円(税別)
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