実録「仁義なき戦い」外伝
血と抗争の鎮魂歌
洋泉社
洋泉社編
ISBN4896917162
今だから明かされる「戦場の主役たち」の秘話で綴る広島抗争25年のすべて!
不功の名作『仁義なき戦い』、その虚実の皮膜!
●●仁義なき戦い 現実と虚構の狭間●●
映画『仁義なき戦いは東映ヤクザ映画・実録路線の発火点となった作品で、
同路線の最高傑作と評される。それまでの義理・人情を前面に押し出した
いわゆる任侠モノとは大きく違い、ヤクザの抗争をドキュメントタッチで描くことで、
臨場感に満ちた迫力とヤクザ社会に身に置く男たちの赤裸々な姿を浮かび
上がらせることに成功している。そのリアリティの根幹をなしているのが、
現実に繰り広げられた広島抗争である。戦後間もない頃に萌芽した広島抗争は、
『銭で動かず、道理で退かず』といわれた広島ヤクザの激しさによって、二十五年の
長きにわたり、死者三十七名、重軽傷者六十六名を数えてようやく終息した。
戦後ヤクザ抗争史上、これほどの犠牲をともない、長期化した例は他に類をみない。
その二十五年抗争の内容ををあらわにし、映画の原作となったのが、
飯干晃一著『仁義なき戦い』である。周知のとおり、この小説は、
呉・美能組美能幸三元組長の獄中手記をもとに書かれている。
いわば、抗争の真っ只中にあった人物の赤裸々な告白がすべての
始まりだった。同映画は全部で五篇制作され(『新・仁義なき戦い』は除く)、
第一部の公開は昭和四十八年一月。以下、順に公開年月を記すと
同四十八年四月、九月、翌四十九年一月、六月である。
わずか一年ほどの間に五作品がたて続けに制作されたわけである。
製作現場は過密スケジュールで凄まじいものがあっただろう。
それゆえ、故深作欣二監督をはじめとした、当時の映画人の意気込みが
集中したかのようなさ作品で、今なお色褪せないエネルギーがスクリーンから感じられる。
東映系の三番館で現在も上映され、レンタルビデオの人気が高いのもそれゆえであろうか。
エンターテイメントに仕上げられてはいても、渦中の人物の手記をもととしているだけに、
登場人物の多くはモデルとなった実在の人物を彷彿とさせる。
それが作品の不思議なリアリティを醸し出す。
本書は、映画を通じて今なお多くの人々の関心を惹きつけてやまない
「仁義なき戦い」=広島二十五年抗争を、抗争の主役たちの新証言、
新たに明らかになった数々の事実で再検証する試みである。
また、そうした観点から、映画『仁義なき戦い』全五作もあますところなく解説した。
エンターテインメント化された映画の虚実の皮膜を、もう一度味わっていただければ幸いである。
(本書より)
目次
第一部 解説・広島抗争
抗争のタイムテーブル
写真に見る抗争の主役たち
第二部 「仁義なき戦い」の真実
なぜ「仁義なき戦い」は生まれたのか?
現実から映画まで疑問15選Q&A
大西政寛と山上光治
第三部 親分たちの肖像
佐々木哲彦
波谷守之
山村辰雄
第四部 門広総長かく語りき
ふるさと「広」
小原組若集
初代の姐さん
この男だけは生かしておけん
山口組との氷解
爆裂啖呵
映画で聞かれるあの名セリフ
現実には、誰がどのような状況下で発したのか
北大路欣也が叫ぶ、千葉真一が吠える
広島と呉の人脈が入り乱れ、啖呵も乱れ飛ぶ!
神戸の圧力も本格化
関西弁も混じって「もう吐いたツバは飲めん!」
進む世代交代の中、容易に退かぬベテラン勢
筋金入りの殺し文句が飛び交う
実録「仁義なき戦い」外伝 洋泉社 洋泉社編
1300円(税別)