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自律訓練法の実際
心身の健康のために
創元社
佐々木雄二
ISBN4422110527
「健康な精神は、健全なる身体に宿る」といわれるが、
「健康な身体は、健全な精神に宿る」ということもまた真実である。
そこで健康の問題は、常に心身一如の立場から考えるべきものであり、
心身医学は、ノイローゼと心身症だけを扱う特殊な医学ではなく、
現代病一般の医学でなければならず、さらには、医学の本来あるべき姿を示すものなのである。
(序文より)
今春小学二年生になった長女が、ちもだちからオタマジャクシをもらってきて育てていた。
ある日の夕方、蛙を自然の中にかえしてやるために、こどもたちをつれて林のそばの池に出かけた。
池の岸辺には仲間の蛙たちが沢山いた。こんなところに放してやれることを、こどもとともに喜んだ。
しかし、それも束の間であった。こどもがアッと叫んで指さしている方向へ目をやると、
暮れかかった水面に小さな蛇が浮かんでいたのである。わたしは一瞬、蛙の前途を思い、
放すのをためらっていた。しかし、すぐまた考えなおした。
蛙が棲みやすいところは蛇にとっても棲みやすい。逆説的にいえば、
蛇のいるようなところこそ、蛙にとって最高の棲み家なのかも知れない。
ほかの池につれていって放したとしても、いつかきっと蛇が姿をあらわすであろう。
自然とはそんなものなのだろうと。人間の生活環境もこれと同じである。
われわれは完全な人工的無菌室で一生を過ごすわけにはゆかない。
ときには油膜の流れる池で暮らさなければならないこともあろうし、
ときには蛇にも遭遇するであろう。
そのようなとき、この自律訓練法を習得しているならば、
きっとなんらかの役割を果たしてくれるものと、わたしは確信している。
それは、射すくめられることなく、蛇から敏しょうに身を隠す行動力を教えてくれることもあろうし、
油膜を払いのける知恵を与えてくれることもあろう。
本書がそういった自律訓練法を習得するために、少しでも役立つならば幸いである。
(本書あとがきより)
1300円(税別)
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