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一寸さきはヤミがいい 新潮社 山本夏彦  
一寸さきはヤミがいい
新潮社
山本夏彦
ISBN4103413115

「死ぬの大好き」のひと、ついに逝く。
絶筆コラム「遠きみやこにかえらばや」を収録。
有吉玉青、藤原正彦両氏の夏彦追悼も必読。

フシギではないか、私の体重は十キロ減ったのにここに来てから旬日中に五キロ回復した。
この病気はいや痩せに痩せるのが特色である。それなのに私はホテルからわが社まで歩いてみた。
日比谷公園を一巡して無事を確かめてみた。
これじゃギネスブック入りだと私は見舞客に吹聴して共に笑った。
もっとも一寸さきは闇だと承知した上ではあるが。
(本書より)

「夏彦の写真コラム」最後の巻末に書かせていただくにあたり、
まずはこの著者を何とお呼びしたものかと考えた。
山本先生。どうもしっくりこない。夏彦翁なんていうのはどうかなとも思ったが、
いろいろ考えて山本さん、さらには下のお名前で夏彦さんで行くことにした。
あの大家にこの若輩が失礼かとは思ったが、「人は生きている限り同時代人」と、
これは夏彦さんがかねがね言われたことである。
同じ時代を生く者として、さんづけを許されたい。また夏彦さんというお名前が、
私は非常に好きであった。アイドル歌手としても通るようなお名前から、
若手の書き手と間違われたことがあると書かれていたコラムを懐かしく思い出す。
夏彦さんとお会いしたのは一九九五年、家庭画報七月号の対談の席だった。
「戦後五十年を今、考える」という特集で、二人の年齢差がほぼ五〇(!)というところから、
私に白羽の矢が立ったらしい。
かねてから書かれたものを愛読し、また時折、夏彦さんの主宰なさる「室内」誌に
寄稿させていただくもお会いできるはずもなく、私は対談のお手紙を千歳一隅の好機と
欣喜してお受けしたが、不安がなかったわけでもない。
私でお相手がつとまるだろうかと、むしろ不安の方が大きい。
それで当日、緊張して対談場所に早く参じてお待ちすると、
そこにひょっこりと現れたのは、鳶色の目をした好々爺であった。
(夏彦さん、焦る 有吉玉青   本書より)

1600円(税別)
一寸さきはヤミがいい 新潮社 山本夏彦 単価 1,600円 購入数

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