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蜂起には至らず
新左翼死人列伝
講談社
小嵐九八朗
ISBN4062117274
渦の中の人人は、特に死んだ人人は、
幾人かの例外を除いて、いや、その人達も、清冽で、時に、
過ぎたピュア精神の持ち主だったと思ってしまう。
(「あとがき」より)
安保闘争、ベトナム反戦、安田講堂占拠、よど号ハイジャック、
連合赤軍、三菱重工爆破、中核VS革マル、三里塚闘争・・・
27人の死者への祈りを込めて綴る鎮魂の書!!
《死して、死せざる日日に》
このノンフィクション的随筆を書き始めた根拠は、もちろん、生活の糧のためで
あったわけだが、私にはひどく珍しく、反省を含めて自らの思いを書きたいという
“真面目”な願いからでもあった。さまざまな過去のまつわりついて離れないことが
今の私と新左翼にはあって、伸び伸び、自由、狂奔には書けないわけがあり、
読者のみなさんには正直いって済まなく思う。
二年一ヶ月の間、取材をし、拙いながら考えを巡らし、書いているうちに、
いろんなことを経た。同じ秋田県人で、静岡市の仕事場にむかごを土産に訪ねてきて、
パレスティナのかってといまを訥訥と語ってくれた桧森孝雄さんは、
イスラエルのリッダ空港に突撃した奥平剛士さん安田安之さんを慕うように、
「能代の海はパレスティナへ」の言葉を遺し、抗議の焼身自殺を、去年、
二〇〇二年の春、した。また、ブント赤軍派結成前後について知らせ、
なお喘いでいる人を紹介してくれ、後半生を大地のくれる自然の恵みと格闘した
藤本敏夫さんは、ガンで、去年の夏、亡くなられた。
青春時代以来合うことは叶わなかったが、三派全学連の活発な頃、
ごつい躯でゲバルトがまともを外れて強く、ぬんちゃくを使わせたら無双、
義理に厚くて人情に弱い社学同ML派の畠山嘉克さんも今年の一月、
ガンで死んだ。この人達については、大阪釜ケ崎での先駆を突っ走り、
文字通り赤い炎と黒い焦げの中で死んだ船本洲冶さんと共に、
先おととし次次に殺されていった。キリスト教の基盤から生まれたコミュニズムは、
イエスが処刑されたことに拘っても、案外に、処刑する命については、粗末に扱い、
あっさりしいるように映ってならない。冥福はあり得ぬ。が、祈る。
(本書あとがきより)
目次
第一章 樺美智子さんの思い
第二章 歌人岸上大作さんの自死の謎
第三章 引き裂かれて奥浩平さん
第四章 沸点への序章 山崎博昭さんの死
第五章 律儀に迫った由比忠之進さん
第六章 赤軍派の根性を作った死(望月上史さん)
第七章 「魁より始めよ」の作家.高橋和巳他
蜂起には至らず 新左翼死人列伝 講談社 小嵐九八朗
1900円(税別)
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