秘密のミャンマー
小学館
椎名誠
撮影■山本皓一
ISBN 4093940452
忘れられたアジアの微笑み。
超俗の不思議風景。
◎◎の怪しいひとびと!!!
《いざ、ミステリアスの国へ》
ヤンゴンに着いた。予想どおり空港内の明かりが暗いので嬉しくなった。
久々にインドシナ半島のまだあまり観光客の入りこんでいない国の
入り口にきたんだなあ、というあやしいヨロコビがある。
初めて入りこむ国というのはいつも最初から面白いからだ。
思っていたとおり入国の手続き緩慢で面倒で、長い行列は頑強に動かない。
入国審査官が眠ってしまったのかもしれない。
これもじつにアジア的でまあしょうがないのだが、気がつくと
最後に残されたのはおれたち日本人四人組ご一行様だけであった。
カメラや録音機材などをいろいろ持ち、一刻も早く街に出てビールをのみたい!
と焦っているのがそのまま全身の態度顔つきにあらわなのがバレてしまったのだ。
軍事政権下の国ではあるが、一体何を調べているのだろう。
そっと覗くと数名の係官が我々のパスポートのあちこちを何度も
引っ繰り返しては顔など見合わせてうなずいたり首をヨコに振ったりしないでほしい。
我々四人とも、ここに来るまでいろんな国に激しく出入りしている。
そういう旅の履歴が問題になっているのかもしれないなあ。
ヒマな我々は互いに仲間の旅の履歴を脈略なくののしりあったりした。
(本文より)
目次
いざ、ミステリアスの国へ/目玉がくらくら/ごろ寝の仏さま/
めざすはあやしい黄金玉/モグラのほっぺた/この広い空の下いっぱいに/
警笛パンパカ湿気街道/謎の背広のハダシおじさん/
事情を知って仏さまとなる/僧侶千三百人の朝食/チーク材の橋と筏/
インレー湖の浮き草島/水と浮き草の中に生きる人々/
菩提樹の下、花吹雪親善野球/瞑想と魚醤/
「秘密のミャンマー」カラーグラフ
秘密のミャンマー 小学館 椎名誠 撮影■山本皓一
1400円(税別)
|