| 大道商人のアジア
小学館
和賀正樹
ISBN 4093874514
この笑顔を見よ!!
大道商人それは神性と俗性の
二つながらを振り分けに担いだ路傍の神である。
家郷をつぎはぎだらけの菜っ葉服に鞄ひとつで旅立つ。
船中でとりあえず向かう国の挨拶と銭勘定の言葉を覚える。
四海一家だ。何とかなるさ。
華僑。その精神の背骨は「白手起家」に尽きる。
騙されて知る、その駆け引きの熟練の技。
アジア11カ国の徒手空拳で活路を拓く路傍の物売りたち154人への
愛情横溢、過激の押し売りインタビュー!!!
近代化が進む一途のアジア。その傍らでしたたかに生き残る、
懐かしい大道商人たちがいる。
生まれ育った熊野国新宮の路地にも、鋳掛け屋、傘の修繕屋、
包丁の研ぎ屋がつかのま、茣蓙一枚の店をだしていた。
夏はわらび餅、冬になるとたこ焼きの屋台、正月には伊勢
大神楽の獅子舞がやってきた。家族を喰わしていくぞ。
世間と伍してやるぞ。見を立てるぞ。店舗もなく小資本だけど、
知恵と工夫で世を渡ってやるぞ。いつからだろう。
そんな不敵な彼らが、きれいに日本列島から消えていったのは
進歩、利便、功利、合理性が奪い取っていく生活の多彩さ、
陰鬱の深さ。グローパリゼーションの波は、どんどんと都市
を地方を味気なく平準化させていくようだ・・・・。
モンゴルやビルマの人には苗字がない。タイではお墓をつくらない。
インドネシアの小スンダ列島では、家族そろっての食事はなく、
おのおのですませる。中国人は昔から夫婦別姓だ。
道に生まれ、道を褥とし、道に伏す人びとから教えられたことのなんと多いことか。
道は異界へのとば口、そこに生きるのは境界の人々だ。
多様性横溢のアジア、今ならまだ間に合う。
手帳とカメラを手に、ぼくは「大道商人」という名の学校に通い始めた。
(本文より)
目次
ヤシの木が一本あれば、その下には華僑が三人はいる
紙芝居屋・なつめ売り・輪タク屋・水占い・手相見他
ちっょと車を買いにドイツまで
街頭写真館・酸乳売り他
バラック食堂へようこそ
へちま売り・少年塩売り・毛糸屋他
がんばれ大道商人
車内雑貨屋・高麗人参汁売り・ごぎぷり駆除薬売り他
アジアの精髄は夜市にあり
湿布売り・大根餅売り・臭豆腐売り他
リェンさん故郷に帰る
菊花茶売り・小鳥の餌売り・家鴨の卵売り・羅宇屋他
スリもまた大道商人である
護見仏売り・体重計り・薬草茶売り他
南瓜のふるさとから来た男
私製タバコ売り・パウチ屋・放鳥師・ヤシ酒売り他
さすらいの香具師
ジャムゥ売り・コーラン売り・なれ鮨売り・燻製魚売り他
安宿の怪しいナニワ商人
きのこ売り・氷水売り・鳩の餌売り・揚げ菓子売り他
行商人・金子光晴がいた町
按摩師・日除け屋・ヒルの塗り薬売り・膏薬売り・犬売り他
大道商人のアジア 小学館 和賀正樹
1600円(税別)
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