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怪しいアジアの歩き方
ワニ文庫
クーロン黒沢
当たり障りのない話ばかりのガイドブックとは裏腹に、
実は危険な香りいっばいのアジアの旅。
タイでは国境越えを執拗に迫る男につきまとわれ、
カンボジアでは突如勃発した内戦の混乱に巻き込まれ、
バングラデシュでは100人もの半裸の弟たちに囲まれた。
アジア各国で遭遇した、怪しげな連中と危ない体験の数々。
バックパッカーには欠かせないアブない話満載で、
ホンネのアジアを味わおう!
「・・・・・ティミレ・マライ・チェックノー・ディーニー」
適当なオバサンに向かって、いきなり「俺と楽しもうぜ」という、コアラ兄貴直伝の
下品なネパール語を突きつけると、彼女は一瞬ビビッていたようだが、そのあと
ボソボソとネパール語でなにやらつぶやき、僕がそれ以上のネパール語を操る
ことができないということがわかると、溜息一つついたあと、ちょっと待ってろという
仕草をして、どこかに消えてしまった。
数分後、もどってきたオバサンは、二人の人物を連れていた。
一人は通訳担当のうさん臭い小柄なネパール男。
そしてもう一人はポロきれのようなサリーをまとい、髪の毛もボサボサで
無表情の少女である。
通訳によると、なんとこの少女はオバサンの実の娘で今年まだ12歳。
もし1500ルピー払うなら、2、3時間貸すけどどうだい、という家族の絆も
へったくれもない無茶苦茶なことを、オバサンは提案してきた。
もちろんこんな子供をいたぶるつもりは毛頭なかったが、ネパール国内で
ここまで深いところに近づけたのは初めてということもあって、
僕はとりあえず金を払い、今後のなりゆきを調査することにして、
オバサンに前金として500ルピーを支払うことにした。
オバサンは金を数え終わるや、他人のような顔でどこかにいなくなってしまい、
残された少女はあいかわらず無表情。
そして通訳がわりの小男は、ニヤつきながら秘密のホテルに案内するという。
なんだかすごいことになってきた・・・・・。
ネパールのホテルは、どこもかしこも従業員が大変明るくフレンドリーで、
わけのわからない女を連れ込める隙など微塵もない。というわけで、
現地の人も日本で言うラブホテルのような場所を利用するらしく、
僕らが向かったのも、いわゆるそういう趣向のゲストハウスだった。
タメル地区からすこし離れた場所にたたずむその建物は、周りの商店に
完全にとけ込んでいるうえ、看板もなにも出ておらず、開け放たれたドアの奥に、
階段がうっすらと浮かび上がっているだけである。
角度が急でしかも薄暗い、コンクリートの階段をのぼると、ガラーンとした部屋に
机が1つと椅子が1脚あり、そこではヒゲで小太りの男性が新聞を読んでいる。
どうやらここがレセプションのようだ。
小柄の通訳から、部屋代として200ルピー渡すように指示され、ヒゲ男に金を手渡すと、
奥から出てきた10歳ぐらいの少年が、小さなランプで暗い通路を照らしながら、
3階の部屋まで案内してくれる。
通されたのは、小さな窓から光がわずかに差し込んでいるだけの、
暗くて小さくて湿っぽく、そのうえ異様に挨っぽい部屋だった。
電灯をつけようとスイッチに手をかけるが、お約束のように電球はきれていて用をなさない。
少年と通訳はいつの間にか部屋から姿を消し、僕は無表情な少女と2人っきりになって
いたが、早くも部屋には彼女の体臭がこもり始め、それが部屋の臭いと混ざりあって、
冗談ヌキで鼻が曲がりそうだった。
僕はポケットから50ルピー(約100円)の金を取り出すと、無表情の少女に握らせ、
「風呂入れよ、頭洗えよ、歯磨けよ」
と、ドリフターズのようなセリフを日本語でつぶやいて、彼女に別れを告げた。
ポッチン下条
(ネパール「実の娘を売る娘」より)
*こんな度も面白いかもしれないなぁ〜と読みながら思わせてくれます。
| 怪しいアジアの光景 |
バッタの佃煮ご飯が食べたければ
ちょっと市場の食堂へ足を伸ばそう! |
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警官に罰金を取られるバイタク。
タバコ2箱で免罪。マジですか? |
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| 瓶詰めガソリン、自然発火もなんのその! |
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拷問博物館では解放直後に撮影されたしたいの写真が無惨さを伝える。 |
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チェーン展開する屋台
(カンボジア) |
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プノンペン市内のいたるところにある歯医者の看板はどれも凶暴(笑)! |
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目次
微笑みの国のコワイ人たち タイ
戦車と死体がお出迎え カンボジア
見せ物にされる恐怖が味わえる バングラデシュ
美しい景色に隠れて悪がはびこる ネパール
ダマシとボッタクリは当たり前 ベトナム
怪しい人々との思わぬ遭遇を体験 マレーシア
バックパッカーには非情 シンガポール
不可解な中華流サービスを満喫 香港
怪しいアジアの歩き方 ワニ文庫 クーロン黒沢
495円(税別)
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